将棋の初手は大体▲2六歩か▲7六歩の二つで、指される初手は大体限定されています…
という書き出しから始まり、先日、将棋の初手のソフト評価をランキングにした記事を投稿しました。

将棋の初手評価値ランキング【1位~30位】

確かに、将棋の初手というのは非常に興味深い内容ですが、
後手から見たら2手目が初手だぞ!!
じゃあ2手目に関しても同じようにソフト評価を30手分調べてまとめようぜ!!

というのが今回の記事になります。
まず、前回の将棋の初手ソフト評価値ランキング堂々の一位に輝いた初手▲2六歩に対する2手目、30通りを全て検証していきます。

まず、検証環境については、初手の検証と同じ機体を用い
将棋ソフト:水匠3
パソコンCPU:RYZEN7 (4コア8スレッド)

普通の大学生が持っているノートパソコンでの検証です。

まずは、初期条件の話です。
今回は、初手▲2六歩を指された後の局面からの2手目について見ていくので、後手が指す前の評価値の情報が必要ですね。
これは、前回の記事から、
1位 2六歩
先手+63
この数値からの変動を見ていくことになります。
では、ドンドン見ていきましょう。

1位 △3二金 +52
2021-12-15 (31)
第1位は△3八金でした。
この手は初手ランキングでも第3位にランクインする手でしたが、後手の二手目としては△8四歩や△3四歩を抑えて1位です。
ソフトがとても好む手であるというような印象を受けます。
居飛車を指す場合、遅かれ早かれ指す手であるから2手目で指してしまう、という考えなのでしょうか。



2位 △8四歩 +65
2021-12-15 (30)
第2位は飛車先を突く△8四歩でした。
納得のランクインです。この手を指す前の評価値が+63で指した後の評価値は+65です。
当たり前の一手ですが、4位以下では評価値が3桁に動きます。±100以内になる一手が3つしかないと思うと必要な一手ですね。


3位 △3四歩 +70
2021-12-15 (2)
第3位は△3四歩でした。
当然の一手ですが、1位、2位と比べ、相手からの飛車先の歩交換を受けることが出来ます。
逆に言うと、相手から飛車先を交換する手は大した手ではないか、相掛かりや横歩取りに持ち込むからOKという感覚なのでしょうか。
何にしたってソフトの評価値なので感覚の話は無意味ですね。


4位 △9四歩 +113
2021-12-15 (33)
第4位は△9四歩でした!
将棋の初手評価値ランキングでは第5位でしたので、1つランクアップです。
恐ろしい事実というのが、これより以下の26通りの手は飛車側の端歩を突く手より評価が低いということですね。
また、端角の手を作ることができる角側の端歩ではないのは気になるところですね。



5位 △6二銀 +132
2021-12-15 (34)
第5位は△6二銀です。
初手▲4八銀は初手ランキング第6位でしたので、ランクが一つ上がっています。
平べったい状態から早めの▲4八銀・△6二銀は秀春流カメレオン戦法の序盤を彷彿とさせますね。



6位 △4ニ玉 +135
第6位は△4二玉でした。初手▲6八玉は同率6位でしたので、先後に関わらず一定の評価を受けている手と言えるのではないでしょうか。


7位 △4二銀 +136
2021-12-15 (36)
第7位は△4二銀でした!!
嬉野流は先手より後手で指す方が評価が高い!!?……というのは早計ですが、面白いです。
初手▲6八銀は初手ランキング16位でしたので、後手にするだけで大幅ランクアップです。
しかし、△4二銀の評価が比較的高いだけで嬉野流の評価が高いという訳ではないですよね。



8位 △7二銀 +176
2021-12-15 (7)
第8位は△7二銀でした。
初手▲3八銀は初手ランキング第4位でしたので、初手ランキングから見るとかなりのランクダウンです。



9位 △6二金 +150
10位 △1四歩 +152

2021-12-15 (32)
飛車側の端歩は第4位だったのに対し、角側の端歩の△1四歩は第10位でした。
やはり飛車先の端歩との差が気になるところですね。


11位 △5二金右 +156
12位 △5二玉 +160
13位 △7四歩 +165
14位 △3二銀 +176
15位 △7二金 +196

16位 △5四歩 +216

2021-12-15 (35)
中飛車の初手である△5四歩は第16位でした。
居飛車党の私は二手目の△5四歩は定跡的にどうなのか良く知りませんが、▲2五歩で少し悪そうですね。

17位 △6四歩 +232
18位 △6二玉 +234
19位 △4二金 +242
20位 △7二飛 +253
21位 △5二飛 +275
22位 △4四歩 +282

23位 △4二飛 +304

ここから+300点で、先手有利の判定になります。
初手ランキングでー300点になる手は第30位の手だけでしたので、やはり手が進むごとに評価がシビアになる感じですね。
後手の戦法の自由度が低いことにも繋がりそうです。

24位 △6二飛 +311
25位 △1二香 +344
26位 △9二飛 +345
27位 △9二香 +357

28位 △5二金左 +395

2021-12-15 (29)
30通りある▲2六歩に対する後手の二手目のワースト3位は△5二金左でした。
これは次の▲2五歩に対して△3二銀と受けなければならず、ひたすらに形が悪いです。
初手ランキングでは21位だったところ、相手の▲2六歩の影響でランクダウンしたことが推測できます。


29位 △3二飛 +791
2021-12-15 (38)
ワースト2位は△3二飛でした。
初手の▲7八飛は「猫だまし戦法」と呼ばれていますが、後手で指すと次の▲2五歩で怪しいですね。
28位は+395だったところ、29位では+791と評価値は大暴落です。



30位 △2四歩 +1097
2021-12-15 (37)
30通りある初手▲2六歩に対する二手目のワースト1位は△2四歩でした。
初手ランキング1位の手に対して2手目でワースト1位の手を指しているので、理論上2手で実現できる局面の中で最も評価値が触れている局面になります。
2手目にして+1097で先手優勢、29位までと圧倒的な差を付けています。
次の▲2五歩で崩壊する未来がもう見えます。どうも受けられませんね。
納得の30位です。




以上、初手▲2六歩に対する二手目の評価値ランキングでした。
将棋の初手ランキングと比べて多少の変動があったのと、評価値が大きく動くことが面白かったですね。
また、中々スポットライトが当たらない後手の指す二手目について取り上げたことも有意義な思い付きであったと思います。
将棋を指すとどうしても二分の一は後手になります。
後手で指す最初の一手も愛してあげましょう。



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